凸版画（おもに木版画）

彫らずに残した部分（出っ張っているところ）にインクが付いて紙に写し取ることができる技法です。

凹版画（エッチング・銅版画）

削った部分を腐食させることで、その溝にインクが残り紙に写し取ることができる技法です。

平版画（石版画・リトグラフ）

彫ったり削ったりせずに平らな状態のままで、水と油の反撥作用を利用してインクを紙に写し取る技法です。

孔版画（シルクスクリーン）

シルクに蝋を塗り布目を塞ぎ、インクの色を写し取りたい部分だけ蝋を溶かし布目を開け、布目を通してインクを紙に写し取ります。よく知られている最も身近なものにプリントゴッコがあります。

吹き付け版画（ジクレー・アイリスなど）

ジクレ－の語源はフランス語で「吹きつけ・ジェット・吹きだし」を意味します。この技法はオリジナル作品をスキャ二ングによりコンピュ－タ－に取り込み、その画面上で色分解を施します。それを特殊プリンタ－にて版画用紙やキャンバスに微細なインク噴霧にて刷ります。ジクレ－の最大の特質は、オリジナルに対しての再現性の高さで、色の諧調など従来表現しにくかったものも出しやすくなりました。厳密には他の技法のような版は存在しませんが、その技術の誕生過程から版画に分類されています

いずれも作品の持ち味に合わせて技法を選択する時代になっており長所短所が あるので優劣がつけにくいでしょう。版画がオリジナルになるのは木版画とエッチングの ２種類のみでそれ以外の技法は原画と呼ばれるオリジナル作品（油絵、水彩画、日本画など） があり、そこから版を作成して版画をつくります。また複数の技法をひとつの作品に取り 入れているものをミクスドメディアと呼びます。 現在では、技法の優劣より画家の作品の持ち味にあわせ表現技法を選ぶことができるよう になり、表現の幅がひろがったと捉えるほうがよいでしょう